立川・昭島 中学受験と高校受験の公表資料ガイド立川市・昭島市の家庭向けに、立川高校と立川国際中等教育学校の入試を、学校と東京都教育委員会が出している資料から読み解く

最終更新:2026年10月11日

集団塾と個別塾はどちらが伸びるのか|1対1指導と学級規模の研究を比べる

授業で説明を聞いた問題を、帰宅後に自分で解けないのはなぜでしょうか。ノートには解き方が残っていても、同じところで手が止まるなら、今の集団授業を続けるか、個別に教わる時間を持つか迷うことがあります。この場面に必要な支援を、人数と教え方に分けて考えます。個別指導には学習を支える実験的な根拠がありますが、小集団との直接比較や大規模な実施まで見ると、人数だけで優劣は決められません。

この記事の要点
  • 個別指導の効果を示す研究には、小集団の指導も含まれ、集団塾との直接比較とは限りません。
  • 実際の学校で広く行う条件に近づけると、平均効果が小さくなるという研究があります。
  • 個別と小集団の直接比較は、オンラインの算数と読みの補習で結果が一致していません。
  • 学級の人数を減らす効果と、仲間と協力して学ぶ効果は別に考えます。
  • 家庭では、指導中の安心感だけでなく、支援を離れた後の取り組みも確かめます。

集団塾と個別塾はどちらが伸びるのか|1対1指導と学級規模の研究を比べる

授業で説明を聞いた問題を、帰宅後に自分で解けないのはなぜでしょうか。ノートには解き方が残っていても、同じところで手が止まるなら、今の集団授業を続けるか、個別に教わる時間を持つか迷うことがあります。この場面に必要な支援を、人数と教え方に分けて考えます。個別指導には学習を支える実験的な根拠がありますが、小集団との直接比較や大規模な実施まで見ると、人数だけで優劣は決められません。

まず区別したいのは、追加の指導をするかどうかという比較と、同じ指導を異なる人数で行う比較です。通常授業に個別の補習を加えて伸びたとしても、同じ時間の集団指導より優れていたことにはなりません。また、学校の学級を小さくする研究と、放課後に通う塾の研究も、そのまま重ねることはできません。入試の配点は別の記事で扱い、ここでは研究が何と何を比べたのかをたどります。

研究の平均は、目の前の子の伸びを約束する数字ではありません。質問できるか、説明を待つ間に考えられるか、教わった後に自分で進められるかも確かめる必要があります。形態の名前を結論にする前に、学ぶ場面を分けて考えてみましょう。

要点

  • 個別指導の効果を示す研究には、小集団の指導も含まれ、集団塾との直接比較とは限りません。
  • 実際の学校で広く行う条件に近づけると、平均効果が小さくなるという研究があります。
  • 個別と小集団の直接比較は、オンラインの算数と読みの補習で結果が一致していません。
  • 学級の人数を減らす効果と、仲間と協力して学ぶ効果は別に考えます。
  • 家庭では、指導中の安心感だけでなく、支援を離れた後の取り組みも確かめます。

個別指導の平均効果は、何との比較なのか

「細かく見てもらえるほど伸びる」という考えには、理解しやすい面があります。途中の計算や読み違いに気づき、その子が止まった所まで戻れるなら、学び直す機会になるでしょう。ただし、その説明だけでは、集団で学ぶ場合より成績が上がるとまでは言えません。人数に加えて、教える内容や追加された時間も変わっている可能性があるからです。

Nickow(2024)は、就学前から高校段階までの個別・小集団指導の実験研究を、メタ分析でまとめています。メタ分析とは、複数の研究の結果をまとめて計算し直す方法です。追加の指導がない条件や通常授業などの比較相手に対し、平均の効果量は0.288 SDでした。効果量は差の大きさをばらつきを物差しにして表した数で、SDはそのばらつきの単位を指し、テストの点数や合格率への換算はできません。

Nickow(2024)では、教員や教育補助員が担当する指導、低い学年、学校の授業時間内に行う指導で効果が大きい傾向もありました。実施期間や指導の組み立ては研究ごとに異なるため、平均値から家庭で必要な継続期間も決められません。条件ごとの傾向は、それぞれの条件だけを変えた実験の結論とも区別する必要があります。

この研究から受け取れるのは、通常の学習に個別的な支援を組み込むことには根拠がある、という点です。「個別塾」という看板全体に同じ効果があるという読み方は広すぎます。集団授業にも質問や補習の時間があれば、比較相手の中身は変わります。家庭で読むときは、人数を確認する前に、どんな支援が追加された研究なのかを確かめると整理しやすくなります。

大きな実施規模と、古典的な報告を分ける

研究でよい結果が出た方法でも、多くの学校で実施したときに同じ大きさの効果が出るとは限りません。準備の整った試験的な取り組みと、日々の学校運営の中で続ける取り組みでは、条件が違うためです。結果の平均だけでなく、どれほど現実の実施条件に近い研究なのかを見る必要があります。これは個別指導を否定するためではなく、期待する伸びの幅を慎重に読むための区別です。

Review of Educational Researchに掲載されたKraft(2026)は、263の無作為化比較試験をまとめました。無作為化比較試験とは、くじ引きのような方法で組を分け、指導の効果を比べる試験です。全体では.40標準偏差だった平均効果が、広く実施する対象や条件との近さを強めて選んだ研究では.16から.22標準偏差となり、実施規模の拡大に伴う効果の低下が大きく関わっていました。

このKraft(2026)の結果と、先に見たNickow(2024)の平均は、収録した研究や選び方が違います。そのため、新しい論文ほど指導の効果が下がった、と時間の変化として読むことはできません。各試験の実施期間も一律ではなく、短期の伸びを受験終了までの伸びに置き換えることもできません。規模をそろえて期待を見直すことと、目の前の支援を無意味と判断することは別です。

古典として知られるBloom(1984)の報告も、現在の統合結果とは分けて読みます。米国の博士論文2本に基づき、通常の授業、理解の達成を確かめながら進む学習、個別的な指導を比べた報告です。論文題名の「2シグマ問題」は有名ですが、現在の幅広い研究を統合した推定ではなく、その大きな差を塾で得られる標準的な効果とみなすことはできません。現在の統合研究と比較の条件を分け、歴史的な問題提起として位置づけます。

個別と小集団を直接比べると、答えはそろわない

通常授業に補習を足す研究より、家庭の疑問に近いのは、指導を行うことは共通にして人数を変える研究です。ここでは、教員が生徒に向き合う人数の違いを、より直接に見ることができます。それでも、算数か読みか、オンラインか対面かといった条件は残ります。異なる学習場面の結果をまとめて、形態の順位表にすることは避けたいところです。

Educational Evaluation and Policy Analysisに掲載されたKraft(2026)は、オンラインの算数指導で、講師に対して生徒が1:1の場合と3:1の場合を比べています。実験の推定と指導者への調査から、1:1のほうが有効である可能性を示しました。ただし、予備的な試験による示唆であり、幅広い条件で確立した結論ではありません。提示された抄録では対象学年や実施期間の細部を確認できる範囲が限られます。

一方、Elbaum(2000)は、読みに困難のある小学生への補習を検討し、個別と小集団の指導を直接比べた2研究では、個別の優位が見られなかったと報告しています。指導期間の異なる研究を含むため、どの期間でも同じ結果になるとも言えません。ここでは「個別が小集団より優れる」という主張の範囲を狭める根拠として読み、差が検出されないことを完全な同等性の証明にはしません。

指導人数への期待 補習・人数比較の知見 支援の比較条件 指導を受けた対象
個別に教えれば集団より伸びる Nickow(2024)は追加的な支援の効果を示すが、形態だけの比較ではありません 指導なし・通常授業など 海外の就学前から高校段階
相手にする生徒が少ないほどよい Kraft(2026・オンライン算数)は個別優位を示唆する予備的結果です 小集団のオンライン指導 海外の算数学習
読みの補習も個別が有利 Elbaum(2000)の直接比較では個別の優位は見られませんでした 小集団の補習 海外の読みにつまずく小学生

学級の人数を減らす研究は、塾の比較とは違う

学校の学級を小さくする研究は、人数の影響を考える材料になります。ただし、学校で過ごす時間全体を扱うことと、特定の教科を補う指導を扱うことは同じではありません。通常学級を小さくした成果が、そのまま個別塾への変更の成果になるわけではないのです。研究どうしで結論が違う場合も、対象や比較の仕組みを先に確認します。

Nye(2000)は、米国テネシー州で学校の学級規模を変えたSTARという大規模な無作為化実験を分析しています。小さい学級と通常規模の学級を比べ、教育政策上意味のある学力への効果が示されました。実施が完全ではなかった点も検討されており、理想的な条件での単純な人数比較とみなすのは慎重であるべきです。

これに対し、Filges(2018)の初等・中等教育を対象とする系統的レビュー、つまり決めた基準で研究を集めて検討する総説では、STARとは別に統合した推定で、読みの平均効果は0.11と小さいものでした。算数の平均効果は-0.03で、明確な優位は確認されていません。海外の学校で、小さい学級と大きい学級を比べた研究が中心であり、期間や設計もそろっていません。STARの結果を含むすべての研究が同じ推定値だったわけではなく、どの研究群をまとめた数字かを残して読む必要があります。

Hoxby(2000)も、米国の児童数の自然な変動を利用して学級規模の影響を推定し、成績への統計的に有意な効果を確認しませんでした。「有意」とは、偶然のばらつきだけでは説明しにくい差かを統計的に判断する言葉です。人数を割り付けたSTARと、自然に生じた人数の差を用いる調査では、比較の設計が異なります。学級規模の研究全体からは、人数を減らすだけで、教科を問わず大きな伸びが得られるとは言いにくいのです。

集団の学びも、同じ部屋にいるだけでは決まらない

集団授業の利点として、友だちの考え方に触れられることが挙げられます。しかし、周囲に生徒がいる状態と、お互いの説明を使って理解を深める学習は異なります。授業を静かに聞いている時間が長いのか、自分の考えを言葉にする場面があるのかで、学習の中身は変わります。集団という名前だけから、仲間と学ぶ効果を見込むことはできません。

Kyndt(2013)は、対面の協同学習をまとめ、成績や学習への態度に正の効果があったと報告しています。協同学習とは、学習者どうしが共通の課題に協力して取り組む学び方です。通常の指導などの協同学習を行わない比較条件に対する結果で、初等教育から高等教育まで、海外のさまざまな教室が含まれています。教科、年齢、文化によって効果が異なり、実施期間も一律ではありません。

向き不向きを考えるときも、子どもの性格を固定的に分類するより、その場で何が起きているかを見ます。次の表は、研究から決まった適性診断ではなく、家庭で観察するための整理です。個別でも集団でも、考える機会を失っていれば、期待した利点が働かない可能性があります。逆効果についても成績低下が実証された条件と決めつけず、学びを妨げうる状態として確かめます。

学ぶ形 合う可能性を考える場面 合わない可能性を考える場面 確かめたい様子
個別に教わる わからない所を途中で伝え、説明の速さを調整したい 見られる緊張が強い、助言を待って手が止まる 支援を外しても自分で着手できますか
小集団で教わる 共通のつまずきを扱い、他の子の質問も理解に使える 待つ間に何をすればよいかわからない 自分の疑問を扱う機会がありますか
集団で学ぶ 説明を追い、仲間の考えと自分の考えを比べられる 進行に追いつけないまま、わからなさを隠してしまう 自分の言葉や答案で理解を示せますか

家庭では、人数の前に学習の変化を記録する

家庭で確かめたいのは、研究の平均と同じ数字が出たかどうかではありません。今困っている内容に対して、どの支援が届き、その後に何を自分でできるようになったかです。たとえば「数学が苦手」という広い言い方を、問題文の条件を読み落とす、式を立てる所で止まる、といった様子に分けます。困り事を細かく言葉にすると、人数を変える必要があるのか、今の場で質問する機会を整えればよいのかも考えやすくなります。

次に、指導を受けた場面と、離れて取り組む場面を分けて見ます。その場でうなずけることは安心材料ですが、理解が残ったかどうかとは別の観察です。時間を置いて似た内容に取り組んだとき、どこから始めるかを自分で決められるか、助言が必要なら何を尋ねるかを記録します。これは本稿からの観察の提案であり、効果が検証された家庭用の判定尺度ではありません。

記録を比べる際は、課題の難しさや教科が変わっていないかも見直します。人数と教材と学習時間を同時に変えたなら、成績の変化を人数だけの効果とは呼べません。部活や習い事で忙しい時期には、継続できたかという条件も添えます。よくなった点と困った点を同じ記録に残すほうが、最初に選んだ形を正しいと決めてしまうより、次に確かめることが明確になります。

よくある質問

人見知りなら個別に教わるほうがよいですか

人見知りという言葉だけでは決められません。大勢の前では話しにくくても個別なら疑問を伝えられる子もいれば、向き合い続けることで緊張する子も考えられます。本稿の研究は、その性格に合う形態を直接判定するものではありません。口頭で尋ねる、ノートで伝えるといった方法も含め、実際に疑問を表せたか、教わった後に自分で進められたかを観察するのが出発点です。

集団で点が伸びなければ、形態を変えるべきですか

点が伸びない理由を形態だけに結びつけるのは早いでしょう。説明の速さが合わないのか、質問の機会が足りないのか、授業で扱う内容とつまずきがずれているのかを分けてみます。今の場でも調整できる部分と、調整しにくい部分があるはずです。変更する場合も、何を改善したいのかを先に記録しておくと、変えた後の様子を具体的に比べられます。

小集団で差がないなら、個別の支援は不要ですか

直接比較で優位が見られないことから、個々の子への支援が不要とは言えません。比較された小集団でも必要な補習は行われており、支援がない条件と同じではないからです。また、読みの補習とオンラインの算数では、課題と教わり方が違います。必要な説明を受けられるかと、その説明をどの人数で受けるかを分けて考えることが大切です。

この記事の限界

指導人数について参照した資料は、海外の学校内の補習、読みの支援、オンライン算数、学級規模、協同学習の研究です。国・学年・期間や研究の確かさはそろわず、日本の小中学生が集団塾と個別塾で同じ内容を学び都立入試まで進む比較の根拠は含まれません。

読み書きの困難や強い緊張が続く場合は、形態の変更だけで抱え込まず学校の先生や必要な専門家へ具体的な様子を相談してください。次に教わった後は、わからない所を伝えた時の説明と、自分で再開できた箇所をノートに残し、学ぶ場を検討する材料にします。

参考文献

  1. Nickowほか. The promise of tutoring for PreK–12 learning: A systematic review and meta-analysis of the experimental evidence. American Educational Research Journal. 2024;61(1):74-107.
  2. Kraftほか. What impacts should we expect from tutoring at scale? Exploring meta-analytic generalizability. Review of Educational Research. 2026. オンライン先行掲載.
  3. Bloom. The 2 sigma problem: The search for methods of group instruction as effective as one-to-one tutoring. Educational Researcher. 1984;13(6):4-16.
  4. Kraftほか. The effect of student–tutor ratios: Experimental evidence from a pilot online math tutoring program. Educational Evaluation and Policy Analysis. 2026;48(3):1236-1244.
  5. Elbaumほか. How effective are one-to-one tutoring programs in reading for elementary students at risk for reading failure? A meta-analysis of the intervention research. Journal of Educational Psychology. 2000;92(4):605-619.
  6. Nyeほか. The effects of small classes on academic achievement: The results of the Tennessee class size experiment. American Educational Research Journal. 2000;37(1):123-151.
  7. Filgesほか. Small class sizes for improving student achievement in primary and secondary schools: A systematic review. Campbell Systematic Reviews. 2018;14(1):1-107.
  8. Hoxby. The effects of class size on student achievement: New evidence from population variation. The Quarterly Journal of Economics. 2000;115(4):1239-1285.
  9. Kyndtほか. A meta-analysis of the effects of face-to-face cooperative learning. Do recent studies falsify or verify earlier findings? Educational Research Review. 2013;10:133-149.

配点表を読み終えたら、次は自分の答案を一文ずつ見直す番です。

  • 向く人: 都立推薦の作文や適性検査の作文を、一文ずつ大人に直してもらいたい中学生と小学生
  • 向く人: 内申と当日点の仕組みを読んだうえで、残りの月日に何を積むかを親子で決めたい人
  • 向かない人: 立川駅の近くで、学校帰りに歩いて寄れる教室を探している人
  • 向かない人: 答案を直されるより、大人数の教室で競い合うほうが力の出る子

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よくある質問

人見知りなら個別に教わるほうがよいですか

人見知りという言葉だけでは決められません。大勢の前では話しにくくても個別なら疑問を伝えられる子もいれば、向き合い続けることで緊張する子も考えられます。本稿の研究は、その性格に合う形態を直接判定するものではありません。口頭で尋ねる、ノートで伝えるといった方法も含め、実際に疑問を表せたか、教わった後に自分で進められたかを観察するのが出発点です。

集団で点が伸びなければ、形態を変えるべきですか

点が伸びない理由を形態だけに結びつけるのは早いでしょう。説明の速さが合わないのか、質問の機会が足りないのか、授業で扱う内容とつまずきがずれているのかを分けてみます。今の場でも調整できる部分と、調整しにくい部分があるはずです。変更する場合も、何を改善したいのかを先に記録しておくと、変えた後の様子を具体的に比べられます。

小集団で差がないなら、個別の支援は不要ですか

直接比較で優位が見られないことから、個々の子への支援が不要とは言えません。比較された小集団でも必要な補習は行われており、支援がない条件と同じではないからです。また、読みの補習とオンラインの算数では、課題と教わり方が違います。必要な説明を受けられるかと、その説明をどの人数で受けるかを分けて考えることが大切です。